今回はリオオリンピックのスポンサー、P&Gによるスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。P&Gはアメリカの生活用品メーカーです。P&Gはオリンピックにおけるワールドワイド公式パートナーを務めています。
*リオオリンピックのスポンサー一覧をご覧になりたい方はこちらから。
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アスリートのママを応援するP&G
P&Gは2012年のロンドンオリンピックからスポンサーを務めていますが、当初から「ママの公式スポンサー(海外名称は「Thank You, Mom」)」というキャンペーンテーマを掲げてスポンサー活動を行っています。
今回のリオオリンピックでも同じように、アスリートのママに焦点を当てています。
プロモーションビデオがあるのでこちらをご覧ください。
このようにP&Gはアスリートを支えるママに注目してプロモーションを行っています。この動画のなかでも、アスリートが子ども時代にママに支えられて育ち、ママの存在が今でも支えになっているという描写がされています。
敢えてママに焦点を当てるターゲティング戦略
今回のスポンサーシップのアクティベーションで1番着目すべきは、P&Gがアスリート自身ではなく、アスリートのママに焦点を当てたスポンサー活動を行っている点です。
ほとんどのアスリートはママに育てられ、一流のアスリートへと育ちます。ここにP&Gは着目し、選手を支えるママに焦点を当てることで、「選手のママを応援するP&G」というストーリーを作り出しています。このようなストーリーを明確に打ち出していくことで、P&Gがオリンピックにスポンサーすることで届けたいメッセージが、一般の人々に届けやすくなります。
P&Gの製品で女性をターゲットとしているもの、また子どもを育てる親をターゲットにしたものは数多くあります。そうした製品にはユニリーバなどの強豪がたくさんいます。強豪との差別化を図る上でも、ブランディングは極めて重要です。そのためにP&Gはこのキャンペーンを通して、世界中のママに「アスリートのママを応援するP&G」というメッセージを届けることで、自社へのブランドイメージを向上させロイヤルティを高めるブランディング戦略を図っているのです。
オリンピックは世界中の人々の関心が集まる一大イベント
今回ご紹介したP&Gの事例ほど、ターゲットユーザーが絞られ、ブランドが届けたいメッセージが明確なスポンサーシップのアクティベーション事例はなかなかありません。多くの人々の関心が集めるオリンピックで、ここまで明確なマーケティング戦略を図るP&Gは流石と言えます。注目が集まるからこそ、ターゲットを絞ることでその効果を最大化させようという狙いが見てとれます。
P&Gは今回のキャンペーンに際して、各国でいろいろな企画を催しユーザーとの接点を積極的に作っています。P&Gが行うスポンサーシップのアクティベーションから、日系企業も多くのことを学べるかと思います。日系企業からも、有効なターゲット設定をし、明確なメッセージを届けて、スポーツにスポンサーする価値を最大限に引き出せる企業が出てくることに期待です。
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2016.03.02