ウサイン・ボルトがクリケット選手のスピードを測る指標に?ゲータレードのアンバサダー活用法

ウサイン・ボルトがクリケット選手のスピードを測る指標に?ゲータレードのアンバサダー活用法
引用:https://www.youtube.com/watch?v=vFZc0HHMYYU&feature=youtu.be

 

 クリケット・オーストラリア代表のコマーシャルパートナーを務めるゲータレードが、アンバサダーであるウサイン・ボルトを起用し、クリケットを楽しむ新たな指標を生み出した。

 

 その新たな指標は「Bolt Rate(ボルト・レート)」と名付けられ、クリケット選手が走るスピードを測る指標として使用されることになる。Bolt Rateは2018年1月中旬から2月下旬にかけて行われるクリケットの大会「Summer of Cricket」の期間に導入されるとのことだ。最も速い選手には「The Gatorade Fastest Run trophy」が授与され表彰される。

 

 

 クリケットはウィケットと呼ばれる野球でいうベースのようなものの間を走ることで得点が生まれるスポーツだ。そのため選手のスピードも非常に重要であるが、これまでそのスピードに着目した指標はなかった。Bolt Rateの導入により、クリケットを分析する幅が広がるとともに、ファンとしてもクリケットを新たな視点で楽しむことができる。

 

(本記事では、クリケットの詳しいルールなどにはついて割愛させていただきますが気なる方はこちらからご確認ください。)

 

 スピード測定には、多くのスポーツ選手やチームで使用され、GPSを搭載したデジタルブラジャーとも言われる「Catapult(カタパルト)」で行われる。Catapultはクリケット・オーストラリア代表の公式テクノロジーだ。測定されたスピードはメディアやゲータレード・オーストラリアの公式フェイスブックなどで公開される予定だ。

 

 ボルトはクリケット・オーストラリア代表選手のスピードを鍛えるトレーニングのサポートも行っている。世界最速の陸上選手であるウサイン・ボルトはまさしくスピードの象徴とも言える。そのボルトの名をクリケット選手のスピードを測る指標として使用するアイディアは非常に画期的だ。

 

ゲータレードの狙い

 ユニークな取り組みを行うゲータレードであるが、その狙いはオーストラリアのクリケットファンに向けたPRとブランディングであると考察する。

 

 クリケットはオーストラリアで人気のスポーツであるため、競技人口やファンも非常に多い。クリケットへのスポンサー活動を通して、クリケットファンにアプローチを図ることが可能だ。

 

 新たに生み出した指標の名前には、スピードと類似性の高いウサイン・ボルトを起用しており非常にキャッチーだ。自社のアンバサダーであるBolt Rateという名が露出されるだけでゲータレードのことも想起されやすい。想起されることで、ゲータレードがクリケット・オーストラリア代表をサポートしているというイメージがファンに認知されるとともに、ブランドのイメージアップに繋がるだろう。

 

 クリケットでは選手のスピードが得点に直結するため、Bolt Rateはクリケットを観戦・分析する上で重要な指標になると考えられる。そのため、ファンの間でも定着することが期待でき、ファンの間で語られていくことでBolt Rateという名が自然と拡散していくだろう。

 

 Bolt Rateという新たな指標が定着してけばいくほど、ゲータレードのPRとブランディングに繋がっていく。そうした点から、ターゲット国の人気スポーツに新たな指標を生み出すこの取り組みは、非常に優れたスポンサーシップのアクティベーションであると言える。

 

効果的なアンバサダー活用法

 スポーツ選手をアンバサダーとして迎え入れサポートを行う企業は非常に多い。その中で差別化を図るためには、その選手の持つ個性やキャラクター、そのスポーツの特性やファン行動などに合わせた施策が求められる。

 

 そうした意味でゲータレードの取り組みは、クリケットというスポーツの特徴を捉えた上で、自社のアンバサダー「ウサイン・ボルト」を効果的に活用している。ただサポートしている旨を伝えるCMではなく、ファンの間でどう広がっていくまで計算された戦略的なアクティベーションだ。

 

 ゲータレードはBolt Rateに絡めた新たな施策を打ち続けていくとのことだ。これからのゲータレードの取り組みにも注目していきたい。

スポンサーリンク


Related Articles

EE×ウェンブリーに見る英国の"スマートスタジアム" 〜ITがもたらすスポーツとスタジアムの新たな可能性〜
フルマラソンをスクロールで体験?42.2kmのデジタルコンテンツでファンにアプローチ!
hummel(ヒュンメル)の「真っ白ユニフォーム」から考えるサプライヤーとチームの理想像とは?